忘却は、幸せの近道
「あれは、デマなのか?」


千里くんも考えてるみたいだ。


「その噂って、なに?」


超、気になるし。



「同級生や後輩じゃ、飽きたらず、失恋したばっかの保健の先生を慰めてたって。」


慰めた?



そんなんしたか?


俺は、考えた。


保健の先生か.....



「それ違うし。」


俺は、イヤなことを思い出した。


「嘘なんすか?」


「あのばばぁが、告白しながら、迫ってきたんだよ。
たぶん、それを見られて勘違いしたんじゃね?」


あの香水くさいばばぁ。


マジ、キモかった。


ある意味、恐怖体験だから。


「伊藤先輩、すげぇっすね。」


「なにが?」


すげぇの意味がわからない。


「あの保健の先生、唯一うちの学校で若くて綺麗って、言われてるんすよ。」


「?
もう一人、いたろ?
数学の冴えなそうなの。」


「みんなにしたら、対象外っすよ。」


千里くんもあり得ないって感じだ。
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