忘却は、幸せの近道

「伊藤先輩は、なにも惣一さんから聞いてませんか？」


実依ちゃんは、確かめるようにと言うか必死だ。


「実依ちゃんは、惣一とつきあってるの？」


惣一、彼女できたって言ってたな。


相手は、知らないけど。


それが、実依ちゃん？



「わからないんです。
言葉がなくて、どうしたらいいか....」


最近の電話でのあいつは、テンションが高かったから。


かなり好きな相手なんだろう。


本当に相手が実依ちゃんなら、この差はないだろ。


よしっ。


未来の妹のために一肌脱ぎますか。


「俺にまかせて。
あいつの煮え切らない態度をはっきり言葉にしてもらうから。」


「えっ？
本当ですか？」


「あぁ。
だから、悩むのはやめな。」


惣一め。


俺の未来の妹に手を出しやがって。


梨依の事でいっぱいなのに.....


惣一のバカ。