忘却は、幸せの近道
「今日から、またやり直そう。
一年間を埋めよう。」


「うん。
卓、大好きなの。
ずっと一緒にいたいの。」

お互いがお互いをキツく抱きしめ合った。


お互いの存在を確かめるように。


この世界には、2人しかいないんじゃないかって思わせるぐらいに。


「梨依、やべぇ〜。」


「へっ?」


「雰囲気ぶち壊してわるいけど、ヤりたくなるから離れよう。」


「卓、私が眠ってる間って.....」


私は、不審に卓を見た。


てか、今なら、聞ける。


お互いの想いを確かめたから。


「梨依以外には、触れないよ。
たまに、寝てる梨依にキスしたりしたけどさ。」


卓は、照れくさそうに言った。


「卓、嬉しいけど。
変態だったんだね。」


私は、呆れた。


「仕方ねぇ〜だろ。
梨依以外には触れたくないし。
その梨依が、寝てるとはいえ、目の前にいるんだから。」


卓の困り顔、かわいい。


「....クスクスッ」


笑わずにいられない。


「あぁー。
てか、そろそろ呼ぶぞ。」

あまりにも恥ずかしかったのか、卓ははぐらかした。
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