カラフル
炎天下メランコリー
「…暑ィ」
私の後ろで幼稚園からの幼なじみは苦しそうに呟いた。確かに太陽のひかりはギラギラと光って私たちに降り注ぐ。それが殺人的だと思っては眉を潜め、相当温度の上がっているだろうアスファルトを踏み締める。
制服の袖を捲っていくらか熱を逃がそうとしてみるが、さほど変わらないし、むしろ直接皮膚に日光が突き刺さってヒリヒリする。
カラリカラリとチャリの車輪は爽やかに鳴り続けるけどそれさえもイライラしてる私には逆効果。爽やかな雰囲気なんていらないから実現する涼しさが欲しい。
とにかく暑い、重い、暑いの三重苦。(あれ、結局二重苦?)そりゃもう夏だから?しかも猛暑らしいから?当たり前でしょ、なんて大人ぶって答えてみたけど実際自分も暑いし。でも言葉に出したら何だか余計暑くなりそうで口を紡いでいたのに、このやろ!
「なぁ、暑い」
「2回も言わないでよ」
「だって暑ィもん。あ、アイス食わね?」
「金ないし。奢りなら食べる」
ハーゲンダッツ。そういうと黙りこんでしまった。(ケチな男、。)