カラフル
「…うん」
肯定の返事を返すと彼はふぅん、と自分から質問した割りにつまらなそうな返事をした。イライラしてるせいかそれにもやっぱりカチンと来たが言い返す気力も惜しい。少しの沈黙。その間にこのトゲトゲした感情を何処かに吹っ飛ばすべく空を仰いでみた。
…それさえも逆効果、かな。普段癒される空もやっぱりムカついてくる。何なのこの青さ。文字通り晴天、快晴、ですか。このやろう見下ろしやがって、なんて思ってみるが無意味。本気で。空にケンカ売ってる自分が恥ずかしくなって空を仰ぐのを止めた。
あ、アリだ。
「どう、順調?」
「微妙」
「何だよ微妙って」
「めんどくさい、なんか」
「めんどくさいって、お前なぁ」
呆れたようにため息をつく幼なじみ。何様だ。私も真似するようにため息をついて乱暴に汗を拭う。汗の流れる時のむず痒さとか寒気がするから嫌い。…否、好きな奴はいないと思うけれど。そんな奴がいたらドン引きだ!