俺様な死神研修生!
「邪魔。どいて。」
「せーな。此処は俺の部屋だぞ。」
「掃除してやってるんだから、ていうか、掃除機もないの?」
「別にフローリングだからいいだろ。」
「この、箒とちり取りボロボロじゃん。」
「別にいいだろ、使えるんだから。」
「あっそ」と軽く流して掃除を続ける。
床はとりあえず終わったのに、台所が汚い。
仕方ない、茶碗くらい洗っておこう。
「ねぇ?貴方学校は?」
「学校?そーいや、お前は行かねぇの?」
「私は貴方が連れだしたからなにも持ってきてないし、ここから学校行く道順わかんないし。」
「行きてぇんなら連れてくぞ。」
「別に、行きたくもない。」
「あっそ。」
なんて、漫画を開いて爆笑する彼。
「貴方は学校行かなくていいの?」
「別に。学校なんて行ってない。」
「え?」
「あ、バイトの時間だ。家にいろよ。」
と、大したワケも話さず荷物を掴み取って彼は玄関から飛び出した。
学校に行ってない。
死神ってそういうものなんだ。
カチャカチャと静かに茶碗を洗う音だけが響いていた。