俺様な死神研修生!
バタンッッ!!
ザァァァッッ!!!
「ッきゃぁぁっっ!!」
いきなり窓が開いて強い風が吹いた。
部屋の中が散らかり、鉛筆は音を立てて床に落ちても風がその音をかき消す。
描きかけのキャンパスにしがみついて私は風が止むのを待っていた。
「お前が野宮 陽菜乃[ノミヤ ヒナノ]か?」
「え?誰?」
風が止むと同時に聞こえた冷たい声。
振り向けば夜の闇より暗い黒い服を着た男の人が立っていた。
茶髪に黒い服。
不法侵入者には間違いなかったが正直どうでもいい。
もう殺されたっていいし。
「誰?」
「もう一度聞く、お前は野宮 陽菜乃か?」
「そうだけど、あなた誰?」
ニヤリと彼は笑った。
鋭い目が私を捕らえる。