俺様な死神研修生!
「うおっしゃぁぁぁ!!」
彼の歓喜の声が響いた。
思わず身を固くする私に彼は満面の笑み。
「やっと、成功しそうじゃねぇか!ったく、これまで俺にどれだけ苦労かけさせてんだ。」
「・・・・は?」
「一回目は人間違って失敗、次は侵入できずに失敗・・。」
腕組みをしてしきりに自分の言葉に頷いている彼。
こんなシリアスな場面でのいきなりの素っ頓狂な行動。
アホだ、コイツ。
「それから犬に追っかけられて失敗、やっと成功しそうだぜ。」
阿呆な顔を急に止めてアタシをもう一度冷たい目で見る。
「だから、貴方誰?」
「もう死ぬ奴に関係ねぇだろ。」
「死ぬ?私が?」
「どうだ?怖いだろ?死にたくないだろ。命乞いしろ。」
「だから、誰?」
「ちぃっ!冥土の土産に教えてやるよ。」
「俺様は神夜 恭汰[カミヤ キョウタ]。死神研修生だ。」
これが私と恭汰の出逢いだった。