俺様な死神研修生!



「はよー。」


むくりとソファーから起きあがった恭汰と目があった。

あれから帰ってきて私はベット、恭汰はソファーに寝ることにした。

久しぶりにぐっすりと眠る夜。

何も考えずボーっと上を見ているうちに寝てしまった気がする。



「お前、何してんの?」

「何って、朝ご飯作ってんだけど。恭汰の分もあるよ。」

「ちょっ、まじかよ。」

「駄目だった?」

「これがちゃんとした朝飯かよ!家庭科の教科書でしか見たことねぇし!すげぇぇ!!」


コイツ、本気で喜んでる。

白ご飯とおみそ汁、ほうれん草のお浸しでこんなにも喜ぶのか。


「久しぶりだなぁ!白ご飯!」


どれだけ白ご飯とご無沙汰なんだよ。

冷蔵庫に腐らず残っていた物がこれだけ。

絶対コイツ料理したことないだろうな。


「俺でさえできねぇのに、お前すげぇな!」

「そ、そぉ?」


ここまで言われるとさすがに照れる。

ガツガツと食べる恭汰。

どんな褒め言葉よりも、なんかそれだけでよかった。





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