俺様な死神研修生!
「母さん、私はこの家をでていきます。お世話になりました。」
「何馬鹿なこと・・」
「本気です。」
「第一、学校はどうするの?」
「中学校ですし、休んでも卒業はできます。休んでいてももう貴女に心配はかけません。」
「そんなこと許されると思っているの?」
「許してもらわなくてもでていくつもりです。」
2人の女のにらみ合い。
私だって大人。
引き下がるわけにはいかない。
「母さんどうした?」
のんきな声と同時に現した顔。
少し疲れた顔をして、肉付きの良い顔の男。
「父さん。」
「陽菜乃。」
母さんよりは優しい父さん。
だけど、父さんも信じられない。
気の弱い父さんはいつも母さんの意見に振り回されて、私を一度も護ろうとなんてしてくれなかった。
「お父さん!聞いてくださいよ!陽菜乃が家を出て行くって!」
「何?」
「そうです。出て行きます。私がでていったほうがお互い身のためです。」
「どういう意味だい?」
「2人は私が嫌いなのでしょう?私だってこの家に居ては息が詰まります。私は私の居場所を見つけました。」
意味がわからないという顔と、あまりの馬鹿馬鹿しさに憤慨する顔。