俺様な死神研修生!
「陽菜乃・・。」
「施設で生活していた私を拾ってくれたこと、ありがとう。」
私の叫びを聞いた二人は何も言えない。
「だけど、なれないんです。貴方達の娘の代わりには。」
そう、そうだよ。
私は・・。
「もっとできのいい子供を拾ってください。幸せになるように育ててください。」
この2人の子供じゃ・・・ない。
すっと背を向けて立ち去った。
何も言えない二人はそこに立ち尽くすだけ。
引き止めることも謝ることも無い。
「さようなら」
振り向いて小さな声で呟いた。
涙はでない。
自分が2人の子じゃないこと。
それだけが心の奥底に重く沈んでいる。