俺様な死神研修生!
「お・・。」
家から少し離れたところに恭汰が立っていた。
私を見て少しとまどったような顔をする。
「もしかして、聞こえてた?」
「・・あぁ、近所中に響き渡ってた。」
「あっそぅ。」
「お前、いろいろあんだな。」
「人よりは多いかもね。」
「かもな。」と恭汰。
フォローも慰めもないのかよ。
「ほらよ。」
恭汰が重そうに持ち上げたのは私の画材道具。
「これ、恭汰が?」
「落ちてた。」
「外に?」
「あぁ。」
確かに筆はこの間恭汰が来たときの風で飛んでったけどさ、
この重いキャンパスは飛んでいかなかったんだよ。
「そっか。ありがと。」
黙ったまま、鼻をこすった恭汰。
むずむずしている様子を見ると面白い。