俺様な死神研修生!



「帰るぞ。」


くるりと振り向いてすたすた歩き出そうとした恭汰。

なぜだか動きがぎこちない。


「・・・もしかして、重いとか?」

「なわけ!」

「ヨタヨタしてますが?」

「気のせいに決まってる。」



強がりで意地っ張りの見栄っ張り。

普通は嫌な奴かもだけど、今だけは違うかな。

ちょっとだけ、ほんと、ちょっとだけその背中がかっこよく見えたのは気のせいかな。



「キャンパスは持っていってよ。」

「ちょっ!」


筆の入ったカバンを奪って私は歩き出す。

その後ろを恭汰が追いかけてくるけど重いキャンパスが邪魔をする。


「恭汰は電車乗れないね。」

「あ?」

「そんな大きなキャンパスじゃ邪魔になるよ!」


かなり困ったような顔をする恭汰。

もし恭汰が乗れなかったら一緒に歩いてあげるよ。


夕方になっても夜になっても、恭汰と一緒だったら怖くない気がした。







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