俺様な死神研修生!



「俺?俺は、秋本 悠士[アキモト ユウジ]。」


悠士?

どこかできいたことあるような、ないような・・・。

前の学校で同じ名前の人いなかったし・・どうしてだろう?

まぁ、気のせいだろう。


「君は?恭汰とはどういう?」

「あぁ、私は野宮 陽菜乃です。恭汰君とは友達です。貴方はお兄さんですか?」

「“陽菜乃”?」


ぐっと眉間にしわを寄せる秋本さん。

あれ?まずいこと言っちゃった?


「あの・・何か悪いこと言いました?」

「ぁ、いや、俺の知っている人と同じ名前だったから、つい、ね。」

「そうですか。」

「そっかー。恭汰はいないのか。じゃぁまた来るよ。」

「え?でも夕方には戻るみたいですし。どうぞ、上がって下さい。」



「いや、悪いよ」と秋本さんは笑う。


「悪い人ではないんですよね?だったら上がって下さい。」

「悪い人は自分から言わないと思うよ。」

「それでも恭汰の知り合いは大丈夫な気がします。」

「はは・・君はお人よしだな。」


“お人よし”。

初めて聞いた。

今までそんなこと言われたこと、なかった。


少し嬉しかった。





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