俺様な死神研修生!
「恭汰、お前“陽菜乃”ってまさか・・!」
トイレに行く途中で二人の話し声が聞こえた。
“陽菜乃”?
私のことみたい。
悪いと思っていても自分のこととなるとつい聞きたくなる。
静かに息を殺して私は聞き耳を立てた。
「お前の課題の人間だろ。一体、どういう!?しかも俺のこと死神って言おうとしたろ!」
「あぁ、大丈夫っすよ?アイツ知ってます。」
「知ってる!?」
「はい、死神の存在受け入れてますし、先輩のこと言っても大丈夫です。」
「馬鹿か!?逃げられるぞ!」
「大丈夫です。アイツは逃げない。」
「どこからそんな根拠が!?」
「俺が正体表しても叫び声あげなかったんですよ。逆に殺せっていったくらいだし。」
逃げる?
この私が?
考えたことも無かった。