俺様な死神研修生!
---3年前---
「・・・誰?」
ぐっと残った力で首をあげると見知らぬ男。
夜の町で光る電気。
それに照らされて幸せそうに笑う人々の群の中でただ1人俺に近寄ってきた男。
だけど、その男だけ光に照らされても暗かった。
「何してんだ?家出か?」
「るせーよ。関係ねぇし。」
「家は?さっさと帰った方がいいぞ。そろそろ補導される。」
補導?
あぁ、もうそんな時間か。
「別にいい。」
「馬鹿か?お前。」
男がぐっとしゃがんで俺の顔を見る。
その男は髪と目が白くとても人間味のある印象ではなかった。
「家は?送る。」
「ない。」
「な~い~?ないわけないだろ。ほら。」
あー。うっとーし。
「・・・捨てられた。」
吐き捨てるように俺はぼつりと呟いた。