俺様な死神研修生!
「どういうこと?死神なんだから私が死んだっていいじゃない。」
「そりゃぁそうだけど、これは俺の仕事。勝手に死なれちゃ困る。」
「は?馬鹿じゃないの?」
「俺様に向かって馬鹿だと?」
眉間に皺を寄せる彼。
「馬鹿よ!馬鹿!さっさと私を殺してよ!離して!!」
掴まれたままの手を振り払おうとしても彼の手はビクともしない。
彼の胸を叩いても彼はビクともしない。
どうしてだろう、涙が溢れる。
「お願いだよ。殺して。もう嫌なんだ。」
「父さんも母さんも勉強が一番じゃないと怒るし、受験だってそう。勝手に学校を決められて、勉強するのは私なのに、受からないと恥をかくとか言って。」
「友達だってそう。どうしてかな、私から離れていく。」
「現実の圧力に耐えられない、だから死にたいの!悪い!?」
「悪くはない。」
「じゃぁ、殺してよ。」
「あぁ、殺してやる。だが、今じゃない。」
「え?」
「あとで必ず殺してやるよ。」
「どういう意味?」
「俺は生きたいと思う奴しか殺したくねぇ。だからお前が生きたいと思うようにしてやる。」
「は?」
「俺と一緒に来い、生きたいと思わせてやる。」
馬鹿じゃないの?