短編・虹
「・・・確かに。」




__一ヶ月前。

二人で遠出をした時のこと。

どしゃぶりで雨宿りをしていた。

「もう、やみそうな気配ないね。」

親友が残念そうな顔をして、空を見上げていた。

「遠出の最後がどしゃぶりってやだな~」

私がつぶやいた時。

「・・・・これからきっと虹ができるよ。

雲が灰色になっていても。どんなに雨が降っていても。

最後はきっと、きれーーーいな虹ができるよ。

・・・そうじゃないと、私達の遠出やこれまでの思い出が

きれいにしめくくれないじゃない。・・・そうでしょう?」
< 8 / 14 >

この作品をシェア

pagetop