極彩色ラズベリー
僕は、態度や表情や言葉に現す事が苦手だから。後悔なんて、何時だってしてる。
「武田君、コレ今日入荷したんだよ。」
そうやって店長が見せてくれたのは、小さな花を咲かせたラズベリー。ぼんやりとそれを見つめていた僕に。店長はクスリ、と笑った。
「…ラズベリーの花言葉を知ってる?」
「…いえ、」
「深い後悔、と愛情。」
今の武田君みたいな表情の様だね、と。店長は、僕の肩を優しく叩いた。
「……………。」
僕は小さな花を咲かせたラズベリーを見つめながら。シクシクと泣く胸をぎゅっ、と握り締めた。