極彩色ラズベリー
この汚くて淀んだ世界は。僕にとっては、とても素晴らしく美しい。
「わぁー、今日も素敵な赤い服だこと!」
「…どうも、」
veleno拠点のBarの扉を開いた途端。僕はクロさんに絡まれた。
血で赤く染まったシャツを、目敏く突っ込んでくれたクロさんに。少しウザイと思いながらも、僕はお礼を述べた。
「あは、相変わらずタケは天然ー!」
何が可笑しいのか、ケラケラ笑うクロさんをシカトして。僕は冷蔵庫の扉を開いた。
クロさんの事は嫌いじゃないけど。…多少、ウザイ。まぁ、velenoに拾ってくれた事は感謝しているけれど。