極彩色ラズベリー

あの日も。何時もと変わらないモノクロの空だった。

今より少し幼くて。女の子みたいだったクロさんに、僕は拾われた。



「オニィサン、俺と一緒にもっと鮮やかな赤い色を見ませんかー?」

「…ナンパ?」



ポツリ、と呟いた僕の台詞に激しく反応するクロさんはシカトした。

僕はあれから、鮮やかな赤い色を見続けている。ココに居れば、モノクロの世界を見なくて良いから。



「…さァ、行きますかー。」

「…はい。」



だから、もっと。

僕に鮮やかな赤い色を見させて下さいよ。
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