極彩色ラズベリー
Pink
君と初めて出逢った時。
僕の視界に、色鮮やかな世界が映ったんだ。
「武田君、新しくバイトに入った四宮藍さん。」
「四宮です。宜しくお願いします!」
高校に進学しなかった僕は、歓楽街の花屋でバイトをしていた。
此処では僕の顔と名前は売れていたし、接客が下手くそな僕に文句を付ける客はいない。
それに色とりどりの花に囲まれているこの場所は、僕が密かに憧れている場所でもあったから。
…それでも。
この花達は僕の瞳に、モノクロにしか映らないのだけれど。