『Memory's Messiah外伝〜前を向いて歩こう〜』

第1章『俺は滝沢登美也』

“前を向いて歩け”この言葉は、俺が子供の頃親に良く言われたなぁ。



俺は、小さい頃から、よそ見したり…下を向いて歩いたり…そんなんばっかだった。


その度に良く言われた“前を向いて歩るけじゃないとまた転ぶぞ”って。



でも…今の歳に成ると思う。


この“前を向いて歩け”はただ単に“歩く時”だけで無く、人生もそうなんじゃないかって。


それを俺に教えてくれたのは他でも無い、俺の“育ての親”だった。



俺の育ての親の名前は“笠原勇”(カサハラ、オサム)

彼の職業は“なんでも屋”そんな彼の前に現れたのは、生後間もない頃の俺だった…


彼はまだ彼自身が18歳の時に俺を拾って育ててくれた…


そして、彼自身も色々と訳ありで、18の若さで既に親は亡く…一人で“なんでも屋”を営んでいた。




俺は思う…


もし、俺が勇と出会って居なければ、多分俺は生きては居なかったかもしれない。


もし俺が勇と出会って居なければ、違う人に拾われていたら、今の俺はきっと…まだ、前を向いて歩け無かったかもしれない。