ビター恋愛~過酷な試練~㊤
けどテーブルの向かい側にいる愛子は必死に
「今言って!・・・・」
こう言う。
「ダメ。後で」
「だって・・・怖い・・・」
それは俺もだよ、愛子。
事実を知ってる俺のほうが何倍も怖いんだ。
だから・・・
頭を撫でてなだめる。
それは届いたのかそれとも・・・・――。
「ごちそうさん」
枯れた、冷たい声で言った。
腹が急にいっぱいになる。
食べる気がしなくなった。
「・・・もう終わるの?」
「うん」