ささやかな奇跡
「それは何だ」

「赤子でございます」

「…………」

そんなことは見ればわかる。

大切そうに抱えた「それ」を差し出され、慈尊は困惑を隠せない。

長い時をともに過ごしてきたが、こんなことは初めてだった。

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