ささやかな奇跡
花びらに守られていたのは、美しい少年と少女だった。
一糸まとわぬ姿で寄り添い、生まれて間もない嬰児のように、安らかな寝息をたてている。

奇跡を起こした神は、すでにその場所にいなかった。
自分が奇跡を起こしたことさえ知らぬまま、もと来た道を泣きながら戻っていった。
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