サクラ色。
Prologue
「ねぇ、まだ着かないのー?」
車の窓の外に広がる景色を横目で見ながら、私、音橋サヤは運転席に座る母にそう問いかけた。
「もうすぐ着くわよ」
…さっきから何度もこのやり取りを続けているけど、一向に着く気配がない。
はぁ。今日はせっかく中学校の入学式だからって早起きしたのに。
これじゃ確実に遅刻だよ。
遅刻どころか、入学式にすら出られないかも。
それはさすがに困るよぉ。
「ああぁっ!?」
私がセーラー服のスカートの裾を握りしめて遅刻したときの言い訳を考えていると、突然お母さんが素っ頓狂な声をあげた。
車の窓の外に広がる景色を横目で見ながら、私、音橋サヤは運転席に座る母にそう問いかけた。
「もうすぐ着くわよ」
…さっきから何度もこのやり取りを続けているけど、一向に着く気配がない。
はぁ。今日はせっかく中学校の入学式だからって早起きしたのに。
これじゃ確実に遅刻だよ。
遅刻どころか、入学式にすら出られないかも。
それはさすがに困るよぉ。
「ああぁっ!?」
私がセーラー服のスカートの裾を握りしめて遅刻したときの言い訳を考えていると、突然お母さんが素っ頓狂な声をあげた。