あなたのスッピンも大好きです。
そして次々に乗客は増えていき、
終点に着く頃の車内は、昨日と同様に人で溢れかえっていた。
かろうじて見える彼女の横顔。
キラキラと輝いて見えているのは僕だけなのだろうか…
胸がまたわさわさと騒ぎだす。
もっと見ていたいと思うけれど、無情にもバスは終点の停留所へ。
ブーっとビザーが鳴り、開いた扉へ人が押し出される。
彼女はその人の波に上手に乗り、あっという間に姿を消した。
そしてやっぱり車内に一人取り残された僕。
――また、明日も会えるかな。
無意識に彼女が座っていた座席に向いてしまう僕の視線。
でもふと、別の視線を感じて顔を上げると、バックミラー越しに運転手さんと目があってしまった。
僕は慌てて視線を外して咳払いをすると、気まずさを感じつつ足早にバスを降りた。