あなたのスッピンも大好きです。
*これって危機?
ブー……
停留所に滑り込んだバスはブザーを鳴らしてドアを開ける。
トントントンとゆっくりとしたリズムを奏でてステップを上ってくるある一人の人物。
僕はいつものように視線をずらして、さりげなくその人のある部分を確認する。
今日も見事な……
スッピンで。
そして座席に座るといつものように作業をこなす。
三ヶ月も見てきたこの光景。
もう彼女のスッピンは見慣れてしまった。
愛着さえも沸き始めているってぐらい、僕の中で受け入れられている。
そして次の停留所に着く頃には鏡をしまう。
スラッと伸びた手足。
色白の肌。
本当、スッピン以外はパーフェクトだ。
でもそんな美女を、世間の男が放っておくはずがなかったんだ。