あなたのスッピンも大好きです。
ま、まず隣の和哉をどうにかしなければ。
和哉の中にいる彼女を遠ざける方法。
考えろ。考えるんだ。
こういうことに関しての知識はあまり詰まってないけれど、
そんなことは言ってられない。
彼女が誰かに奪われてしまう。
危機感だけが僕の頭脳をフル回転させる。
和哉は……
――そうだ!
和哉は今付き合ってる人がいるじゃないか!!
三年のまぁまぁ美人な彼女が出来たって。
ついこの間の話だ。
これでいくしかない。うん!
僕は人差し指で眼鏡を押し当てて、ゆっくりと落ち着いて言う。
「つ、つい最近、新しい彼女が出来たって言ってたじゃないか。…浮気はいけないと思うけどな」
うん。これでよしと。
僕はふうっと胸を撫で下ろした…のだけれど、
和哉からとんでもない言葉が返ってきた。
「なーに言っちゃってるの。俺たちまだ若いんだからいろんな子と付き合わなきゃ。
じゃなきゃ運命の子とは出会えないぜ?」
そして極めつけの言葉。
「浮気の一つや二つ、どうってことないさ」
僕は口をあんぐり。
モテるって怖い。
怖すぎる。
運命の人ってそうやって見つけるもんなの!?
運命の人どころか、
大半の女性を敵に回すんじゃないの!?
分からない。
モテるって分からない。