あなたのスッピンも大好きです。
「お前告白して彼女に振られたらどうする! きっと学校中に噂が広まるぞ。あの和哉が振られたってな」
和哉の目が見開き、僕の話しに食いついたのが分かった。
僕は話を続ける。
「そしたら女子は近付かなくなって周りにはむさ苦しい男ばかりになるんだぞ? 彼女だって一生出来なくなるぞ。そんなのお前に耐えられるか?」
和哉に限ってんなことあるわけがない。
こんな言葉、僕だって信じない。
デタラメすぎる言葉。
でも僕にはもうこれで押し倒すし道はない。
「運命の人に会えずに一生を終える! 一人寂しく死んでいくんだ!」
お願いだ。
信じてくれ!
「だから彼女は諦めた方がいい!」
僕は肩をつかむ手に力を込めて最後の言葉に想いを込めた。
僕の言葉を視線を逸らさずに聞いていた和哉。
真顔の和哉から気持ちは伺えない。
どう?
どうだ……!?
僕の方が視線がおよいでしまう。
心臓が尋常じゃない速さで脈を打つ。
そしてバス全体が左右に軽く揺れ――
和哉の整った顔が一気に崩れた。
「そんなの無理だぁ〜。女無しの人生なんて考えられない…」
首を左右に振り、ガクリと肩を落とした。