あなたのスッピンも大好きです。




――え?






えぇぇぇぇぇええ!?






ブー……



車内にブザーが鳴り響き、次の乗客がステップを上ってくる。




僕は、





また自分の目を疑った。




だって、振り返った先にあった顔は……





想像がつかないほど、美しい女性の顔に変わっていたんだから。




通った鼻筋に魅力的な唇。


そして何よりも、パッチリ二重の吸い込まれてしまいそうな綺麗な瞳。



僕が今まで出会った女性の中で、一番美しく、魅力的だった。



僕の目が? いや、僕の眼鏡が?


なんでもいい。


とにかく何かがおかしくなって、幻か何かを見ているのかと思ってしまうくらい、



衝撃的で、美しかった。




澄ました顔で外の風景を見ている横顔。


窓からの光で輝いて見えるブラウン色の髪。


時折瞼を伏せる仕草を色っぽいと思った。



僕が人に対してこんなに見入ってしまうなんて、初めてだった。



初めのスッピンとのギャップのせいだと自分に言い聞かせるけれど、


心はどうも納得してくれていない。


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