金髪の君*完結
−−コンコン…
「失礼します。
今日からお世話になります。高橋です。」
「お待ちしておりました。
どうぞこちらにお掛けください。」
1階にある校長室をロックして、ドアを開け部屋に入る母についていく。
部屋の中には、3人掛けソファーがガラステーブルを挟むように置いてあり、その奥には机がある。
机には校長先生らしき50歳位の男の人が書類を片手に椅子に座っている。
校長先生に促され、3人掛けソファーに母と座る。
向かい側には校長先生が座る。
「はじめまして、校長の蓮沼孝明(ハスヌマ タカアキ)です。」
「はじめまして、高橋葵です。
今日からお世話になります。よろしくお願いします。」
「はい、よろしく。
高橋さんは、編入試験の結果がよかったので3年S組です。
クラスは成績順でS・A・B・C・D・Eがあります。
教室は隣の棟の4階。
下に下がるごとに学年がかわるからね。
3年生は受験で忙しい時期なので、行事は体育祭と文化祭のみ。
1年間、蓮沼高校で沢山の思い出を作ってください。」
「はい。」
「さて、SHRの始まる時間だ。
今担任の先生を呼ぶから一緒に教室まで行きなさい。」
「はい、ありがとうございます。」
校長先生は私の返事を聞いた後、母の方に顔を向け「娘さんをお預かりします。」と言いソファーから腰を上げ机に向かって歩き出した。
そして、机の上に置いてある電話を持ち話し出した。