金髪の君*完結



掴まれている手は熱を持ち熱い。
彼の熱を感じ速く脈打つ心臓。

絡み合う視線。

目付きは鋭く睨んでいて髪の毛の色が変わってしまったが、綺麗な髪質、漆黒の瞳、整った眉、高い鼻、形のいい唇。

昔と変わらない彼がいた。



−−あぁ…私、まだ…



「しんちゃん、あの…ありが−−」


「えっ!?」



再び引っ張られる腕。


「えっ?あの?し、しんちゃん?

ちょっと待って!どこ行くの!?」


腕を引っ張られ引きずられるように歩く。
前を歩く心。
彼の背中は中学の時よりも逞しくなっていた。

その背中に問い掛けながらつられて歩く。





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