金髪の君*完結



「ところでさ…話が戻るんだけど、5時間目どうしたの?」


心配そうに聞く美穂にピクッと肩が上がる。

チラッと一番後ろの席に座る心を見る。
一瞬、目が合ったがすぐに目を反らし窓の外に目線を向ける。


「えーっと、男の子に会って、お腹いっぱい…そして眠くなって、保健室…寝てた。」


嘘が苦手で口から出た日本語は片言。


「そうなんだぁ〜。

じゃぁそのセーター「はーい!席ついてー!!」


納得していない顔をする美穂を遮った先生の声。
美穂には申し訳ないが、先生に感謝だ。


「ほら、美穂もアッキーも席にいこ?」


2人は渋々自分達の席に向かい歩きだす。
私は2人に気付かれないように安堵の溜め息をはく。





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