金髪の君*完結
目から一筋の涙が流れる。
周りの皆は話し合いに集中していて気付かない。
気付いているのは今だに見つめる心と、隣にいる一樹。
これ以上涙が流れないように下唇を強く噛む。
口の中に広がる鉄の味。
心の冷たい目を見ると思い出す。
『おめぇなんかいなくなればいい』
−−あぁ、私はもう心ちゃんに必要のない人間なんだ…
私と同じ白っぽい金の髪の毛、謝罪の言葉とセーター、少し期待していた私のバカさに口から笑いが出る。
笑いと一緒に抑えきれない涙。
「ごめん!トイレ行ってくる!」
泣き顔を見られないように下を向き、話し合っているメンバーに声をかけ教室を飛び出す。
教室を出るときに美穂の呼び止める声が聞こえた。