金髪の君*完結


驚き固まっている私達は、美穂が教室から出ていったことに反応ができなく、気付いた時には開けっ放しのドアから美穂が廊下を走る足音が聞こえた。



「な、な、何してるの!!!」


今だにドアを見つめ、放心状態の銀の胸倉を掴み揺する。



「早く!!!
早く美穂を追いかけて!」


揺すっても反応を見せない銀。


「銀くん!
美穂泣いてる!!
美穂、銀くんの前からいなくなっちゃうよ!!
手遅れになる前に捕まえて!!
絶対に後悔する!!」


銀の胸倉から手を離し床に膝をつく。
目から流れる涙を両手で覆う。


「お願い…
今、手を離したら元に戻れない。」


−−私と心ちゃんのように…






< 278 / 858 >

この作品をシェア

pagetop