金髪の君*完結


「お願い…」


「お願い…」


「葵ちゃん…」


頭上から銀の声が聞こえる。


「俺さ、葵ちゃんのこと好きだよ。これは嘘じゃない。
一目惚れだった。」


返事のかわりに頷く。


「だけど、美穂が俺をシカトするようになって焦った。
どんどん美穂が離れていって俺には美穂が必要だって気付いた。
昔のように相手してほしくて、ふざけてた。
キスしてごめん。」


頭を左右に振る。


「素直になれなくて美穂を傷付けた…」


「今からでも遅くないよ。」


顔を上げ、銀を見る。


「ありがとう。」


そう言い走って教室を出て言った。




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