金髪の君*完結
紙袋を机の上に置き、中を確認する。
袋の中には黒のセーター。
昔と変わらない彼の匂い。
3日程抱きしめて寝たが、匂いもなくなりクリーニングに出した。
−−私って、変態かも…
ドキドキと高鳴る心臓を深呼吸し、落ち着かせる。
「よし!」
−−いざ、勝負!!
−−−ガタッ!!
勢いよく席を立ち、後ろを振り向く。
後ろの席にいる美穂達が驚いた顔をしていたが、気にしてる余裕すらない。
抱きしめてる紙袋と視線の先の心に神経全てが集中する。
「ふん、ふん、ふん…」
鼻息が荒くなる。