金髪の君*完結
周りから生徒の悲鳴が廊下に響くが、今の私には心臓の音しか聞こえない。
『早く俺に追いついてこい。』
−−少しは期待をしてもいいの?
彼の背中を見続けながら心の中で問い掛ける。
彼の姿が見えなくなるまで見続けた。
前は彼の隣を歩いていた私。
こうやって彼の背中を見ることはなかった。
寂しさと悲しい気持ちが私を覆う。
そんな気持ちを振り払うかのように、再び貼紙に視線を向ける。
彼と並んだ名前。
中学の時は当たり前だった。
だけど今は並んでいる名前に救われる。
『また彼の隣に立てた』『早く彼に追い付こう』と…
そう思えた。