金髪の君*完結


「初めまして、高橋葵です。

今日はご馳走になります。」


手に持っていた空のグラスを近くのテーブルに置き、ご両親を真っ直ぐ見据える。
自己紹介をし、お礼を言い頭を下げる。
緊張しないのはきっとご両親の柔らかい笑顔のおかげ。


ご両親は『今日は楽しんでくださいね。』と言い、接客へ戻った。


騒がしい店内。
沢山の注文や飲み物を運んでいる店員。
カウンターではカクテルを作っている店員。
店内は大忙しだ。


「葵ちゃん、ちゃんと食べてる?」


「食べ物はまだだけど、今飲み物貰ったよ。」


飲み終えたグラスをアッキーが見えるように手で持ち目線の高さまで上げる。



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