金髪の君*完結
勝手に期待した私。
心を独占したかった私。
苛立っていたのは、自分が行動を起こせないから。
見ていることしか出来ない自分の苛立ちを心に向けていただけ。
「ハハ…」
私の独りよがりだ。
苛立ちはすっかり無くなり、残ったのは喪失感。
心にポッカリあいた穴はいつになっても塞がりそうにない。
心に背を向け、ドアに向かい歩きだす。
「おい。」
後ろから心の呼び掛ける声が聞こえたが、振り返らず歩く。
−−−期待しちゃいけない…
−−期待しない…
胸の中で何度も何度も繰り返す。