金髪の君*完結
無言で歩く2人。
周りの声がよく聞こえる。
「ヤバイ、あの人カッコイイ。」
心への歓喜の声や視線。
前を歩く心の背中を見て『モテるんだな…』と改めて思う。
背中を見て寂しい気持ちになるが、彼が掴んでいる手を見て頬が緩む。
「ねぇ、心ちゃん…」
−−彼と話しがしたい…
−−−彼の声が聞きたい…
「あ?」
前を向いたまま返事をする心。
「あのね、今何時?」
「はぁ?」
私の質問に驚き勢いよく振り返った。
「いやぁ〜、明るかったのに暗いなぁって…」
ハハハッと笑いながら言う。