金髪の君*完結
頭を伏せ反省をする。
腕が離され、顔を上げるとジッと私を見る心が視界に入った。
「大丈夫か?」
優しい声で心配する彼に胸が高鳴る。
「う、うん…」
「ならいい。」
暴れる心臓を落ち着かせるために周りを見て気を紛らわせる。
彼の背中ばかり見ていて気付かなかったが、少し先に見えるのは駅の入口。
『もう着いちゃうのか』と寂しい気持ちになる。
「おい。」
駅の入口をジッと見ていると、心に呼ばれた。
視線を駅から心に向ける。
漆黒の瞳とぶつかる視線。
吸い込まれるかように魅入る。
「−−髪…」
「えっ?」
「なんで染めた。」
彼の視線は髪の毛に注がれている。