金髪の君*完結
「葵ちゃぁ〜ん〜、会いたかったぁ!!」未来はそう言いながら私の腰に回していた腕に力をいれた。
「ぐ…ぐるじぃ…」
「ごっごめん!!」
「はぁ…苦しかった。
未来は相変わらずだね…」
「あははは♪」
腰に回していた腕をパッと離し、笑ってごまかす未来は可愛い。
その笑顔に負けてしまうのは毎度のことで…
「ほら、行くよ。」
「うん!
あのねあのね、葵ちゃんが編入する高校にねメチャクチャカッコイイ人がいるって噂だよ!!」
「へぇー。」
「でねでね、その人ねケンカが強いんだって!」
「ふ〜ん。」
「それにね、彼女いないんだって!一目見てみたいよね!!」
「そうだね。」
そして、一方的な会話も毎度のこと。
「パパが車のとこで待ってるんだけど…
あっ、いたいた!!
パパ〜!葵ちゃん連れて来たよー!!」
私の隣から勢いよく駆け出した親友の後ろ姿を見ながら『変わってないな… 』と思う。
少し先を行く未来が振り返って
「おかえり、葵ちゃん。」
そんな親友の言葉に
「ただいま、未来。」
笑顔が溢れる。
「よし、帰ろう!!」
「あっ!気を「いたぁーい!!」」
転ぶのも毎度のこと…