金髪の君*完結
「--ちょっ、しんちゃん!?」
心は無言のまま私の腕を引き、海側へ歩いて行く。
「はっ、えっ、ま、まさか!」
海を目の前に、私をお姫様抱っこをした心。
「まっ、待って心ちゃん!」
慌てて心の首にしがみついた私に、満面の笑顔を向けた心。
「---っ…」
2年ぶりに見た彼の笑顔にドクンッと胸が高鳴る。
心の笑顔に気を取られ、首に回していた腕を解いてしまったのに気付いたのは
「きゃっ」
心の体から離れた時だった。
----バシャーン!!
海に勢いよく投げられてギュッと目を閉じると同時に背中へ受ける衝撃と水に沈む感覚。
一瞬、息が止まったがすぐに目を開け手足を使い海から顔を出した。