金髪の君*完結
普段はログハウスの周りは静寂で、今では銀の「にくぅ~」と言う声と、未来の「助けてぇー」と叫ぶ声が響いた。
「--もう無理…」
酔っ払っている美穂とお酒が入り人格が変わったアッキーに変態な質問をされ続けた未来は、両耳を手で押さえ、テーブルに顔を伏せた。
私は再び箸を持ち、バーベキューコンロの前に立つと
「葵ちーーん!肉?肉食べちゃう?あっちの肉もこっの肉も俺のだから取っちゃ駄目~!」
肉に酔っている銀を無視し、端に寄せられた野菜達に手を伸ばす。
香ばしく焼けたカボチャを食べると口の中に広がるカボチャの甘味。
--美味しい…
綺麗な星空の下でバーベキュー。
「あっ!葵ちゃんそれ俺の肉!」
「葵ちゃーん!助けてぇ~!」
もっと静かだったらよかったのに…
少し残念に思うが、気の合う友達との思い出が増えることを幸せに思う。