金髪の君*完結



「着いたぞ」


運転席から心の声が聞こえ、顔を上げると見慣れたマンションが視界に入った。


車に付いている時計を見ると駅を出てから5分しか経っていなかった。

降りないといけないってわかっているけど降りたくない自分。


助手席に座ったままでいると


「祭…」


「--えっ?」


「楽しみにしてる。」


ハンドルに両腕を起き、その上に頭を乗せたまま私の方を向いている心が口角を上げ笑った。


「うん!」


彼の一言が胸に染み渡り、自然と笑顔になった。


「送ってくれてありがとう。」


「あぁ」


お礼を言い車を降りようとする私に


「あおちゃん俺達忘れてない?」


後部座席から声が聞こえ、ビクッと肩を上げた。


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