金髪の君*完結
「なぁにいってるの!!
めちゃくちゃ綺麗だよ!!」
「あ、ありがと…」
未来の言葉に顔の筋肉まで引き攣った。
濃い化粧をして"綺麗だよ"って言われても素直に喜べないのは私だけ…?
「じゃぁ次髪ねぇー!!」
コテのコンセントを差し、温めている間櫛で私の髪を念入りにとかす。
温まったコテで手慣れた手つきで髪を巻いていく。
私の髪を一つに纏め左耳の後ろで結わき、大きな花の飾りを付けて終了。
「できたぁぁぁー!!」
両手を高く上げ、喜ぶ未来。
「私天才かも!」と言い私を下から上まで何度も視線を往復する未来に
「未来、ありがとう。」
お礼を伝えた。
「葵ちゃん!!
私も着替えるね!」
浴衣が乱れないように軽く抱き着いた未来は、風呂場へ駆けて行った。