金髪の君*完結


「--はぁ、はぁ…葵、ちゃん---そ、こ右…」


速い速度で歩く私に腕を引かれ息切れをしている未来。

未来の地元の駅周辺で行われる祭。
心と一樹とは駅前の改札口で待ち合わせをしている。

イギリスに行く前に住んでいた場所。

中学時代の友達に会える楽しみと不安を胸に抱え改札口にいるはずの心と一樹を捜す。


「あっ!いたいたかずくーん!」


手を振り駆け出した未来を目で追うと心と一樹の姿を見つけた。


私は額や首にかいた汗を巾着の中からガーゼ素材のハンカチを取り出し拭き取った。

未来は一樹にの腕に自分の腕を絡ませ笑顔を振り撒いている。


---可愛いな…


女の子は恋をすると綺麗になるって言うけど、未来は可愛い。
普段から可愛いけど幸せそうに笑う未来は格別だ。



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